「マンデラの名もなき看守」感想

マンデラの名もなき看守 [DVD]

 2012.7.18

ネルソン･マンデラは94歳の誕生日を迎えたそうだ。


淡々と書かれたノーベル平和賞受賞理由が、

重すぎて、

与えられた手の中の勲章は、

あまりに小さく見えたのではないか。

その大きさじゃ足りないわ。


偉業を成し遂げた歴史的人物が、今現在も存在する。

何せ、アパルトヘイトが廃止されたのは

遠い昔の話じゃない。

普通の人より心も体も酷使されたはずなのに、

こうして長生きされてるのは、

器の大きさを感じる。

思し召し？



反アパルトヘイトを掲げたために

27年間収容されたネルソン･マンデラ。

英語とコサ語を理解できたために、

マンデラの監視役に抜擢された看守グレゴリーは、

出世が約束された地位に家族で喜ぶ。

黒人は白人を滅ぼそうとしているのだから、

迫害されることに疑問は持っていなかった。

マンデラとの対話を重ねていくうちに、

教えられきたこととの矛盾を知りー


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そうだよね…。

マンデラってネルソンマンデラじゃん。

ヒューマンの所にあったし地名かと思ってたら、

社会派で意表つかれたわ。


しかもアパルトへイトとかヘビーな。

ラストキングオブスコットランドの

フォレスト･ウィッカーを思い出してゾッとした。

あ！マンデラ役の俳優さん、24の大統領だ！

大きい人物を演じ続けるって大変だな。

私生活に考え方が影響されそう。

予想に反して、

白人の看守目線で物語が進むため、

黒人に対する迫害シーンはあまりなかった。

ちょっとだけでも、理不尽に殴られ差別される場面は、

心が痛んだ。


てかこんな甘い看守が出世するの？？

看守長ですよ？

マンデラの奥さんにチョコ渡して、

上司から罰として夜勤多めだ！って…

この時代、解雇どころか拘束されるのでは？

自分に良心があるのを知らず、

迫害の最先端に従事するのは、地獄だね。


なんとグレゴリーも実在した人物なのですか！

実際はこんなに会話せず、手紙等の文面を見て、

報道されている人物像と違う印象を持った、

程度の距離感だったらしいが。


白人目線で、現状への疑問や迷いを映した点に関して、

ある意味リアルなのかもしれない。

穏やかに深く言及している流れを支持する人も

きっといるけど、


アパルトヘイトは、現代に近く、

誰でも知っている重大な史実。

そしてそれを解放した偉人が今も生きている。

これほどの説得力を持って知りたいのは、

加害者側の意識や迷いじゃない。

加害の中身と

被害者の気持ち。


うんうん、各方面からの視点って絶対大事なんだけど、

この映画は後手に回ることで意味を成すから、

先手を観てない私は違和感を感じるのです

（12.7.21記）