「サヨナライツカ」感想
本当の「アイシテル」に辿り着くまでの
切なすぎる物語。
否、口に出すことが赦されるまでの物語。
辻仁成 原作
中山美穂 主演。
結婚直前のバンコク出張で魅惑的な女性と関係を持つ。
叶うはずがないとわかっていながらも
想いは激しさを増していき…。
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中山美穂があんなに大胆な濡れ場に挑んでいるとは
知らなかったからビックリした。
女優業を続けている人なら一皮剥けて
女優としての幅が広がったと感じるけど、
中山美穂はちょっと事情が違うから残念。
夫への愛?
はっきり言って「不倫」。
ん?ギリギリ結婚前だから浮気?籍入れてたっけ?
感情移入していいのかどうか本能的に戸惑った。
植え付けられてるもんね。
観てる途中も終わった後も、
想いを100%遂げられた人物が物語にいない。
あまりに切なくて泣けなかった。
原作を読んだ人は、
二人が惹かれあった関係の描き方が薄いとあった。
)
でもなぁ、実際このぐらい些細なことが、
意味わからないぐらい大きな愛になっちゃったりするんだよなぁ。
空港で表情変えずに中山美穂を見送って、
姿が見えなくなった途端に嗚咽混じりに涙を流して、
涙を拭く間もなく、本妻の石田ゆり子が
会いたかった!って抱きつくシーンの、
西島秀俊の感情の揺さぶられ方がすごく辛かった。
何で泣いてるの?と聞かれて、
アイシテル、アイシテル…とただただ呟く。
この言葉がどれだけ重く、罪深いかと。
西島秀俊大好きで観ました。
その色気、罪です、ストライクです。
映像美に拘ってます。
正直、中山美穂でなくてもイケたかな。
死ぬ時愛した記憶と愛された記憶、
貴方はどちらを思い出しますか?
私は迷わず愛した記憶だと思うんだけど、
これぐらい深く愛する人に愛されたら、
愛してくれてありがとうって
愛された記憶に感謝するかもね。
(12.4.22記)