ろろーろーろろ

たまに長く書きたくなる。錆びないように使っとけ。

「潜水服は蝶の夢を見る」感想

 

潜水服は蝶の夢を見る [DVD]

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 、
あ、これは面白い映画だ

と悟ってのめりこめた。


全身麻痺。
聞こえるけど、話せない。
意思表示はまばたきだけ。
そして持っているのは、
動く左目と創造力と記憶。

それは生きていると言えるのか?

その言葉さえ伝えることもできず、
舌を動かすこともできないから噛みきることもできない。

絶望と憐れみの毎日から
ゆっくりと変化する気持ち。

最初の30分ぐらいは視点が主人公で、
演じてる俳優が誰なのかさえわからないけど、
それのお陰で私がすぐに映画に興味を持てた。


始まりの主人公と、
終わりの主人公は、
表面的には変わってないように見えるんだろう。

そりゃそうだ。
病気が治って飛び起きて走って

愛する人を抱きしめるのは、作り話。

奇跡を簡単に信じるなっていうのは、
私にもある思想。

つーか、不安定なものに頼る前に確かなものをやりとげろよって話よ。(映画の話とは別の話ね)

でもね、本当に絶対叶えたい願いなら、
最後に不確かなものに祈りをこめるのも、
いいと思うようになった。

やれることは全てやりたいって気持ちが

わかるようになった。


そんな主人公の表面的な変化の無さに対して、
内面的な変化も極僅か。

でも、それが現実的で、
逆にその僅かに変化した部分が強調されて、
とても身に沁みた。

実話だって、やっぱりね。


潜水服に閉じ込められた人格は、
今は蝶になれましたか。

 

 

(10.11.9記)